メニューを開く

下野新聞 平成26年7月1日付 掲載されました。

中医学を実践する志

 最近アメリカのタイム誌(4/28)に、オハイオ州の病院に1月から開設された「ハーブ療法科」の紹介記事がありました。欧米式のハーブ療法ではなく、中国の本場の漢方(中医学)による診療を行う科で、ここを受診した地元クリーブランド生まれの夫人の、長時間悩んできた不眠症が改善されたそうです。

下野新聞 平成26年7月1日付

■お問い合わせの電話番号が変わりました。 028-612-8160

 不眠症は、鎮痛作用が知られている薬や処方を、むやみに適用しても治りません。脳も他の組織と同じように、胃腸から吸収される栄養分が十分に供給されていないと、正常な機能を果たせません。しっかり休養態勢に移行できず、深い眠りに入れません。

 この婦人の場合、栄養供給を担う血液が実質的に全身の隅々にまで十分に行き届いていない「虚血」という体質の要素がありました。これを補ってくれる生薬「当帰」を配合した処方を適用することで不眠症を改善できたのです。

 このような中医学の理論を一般的な西洋医学の病院で実践したいと志を持つアメリカ人が、この科の体制を一から整えるために苦労してきました。言語や文化の壁を超え、漢方の知恵を全人類の健康に役立てる歩みを進め得る、先駆的な活動だと言えます。

 日本では、漢方薬の適正な活用と普及のため、薬局・薬店が重要な役割を担ってきた歴史があります。栃木中医薬研究会は、中医学の理論を正しく実践したいと志を持つ薬局、薬店の集まりです。「虚血」など様々な体質の要素を重視した活動を進めています。

足利市 大熊薬局