中国研修に参加してきました!
良春中医薬研究所、良春中医医院、南通市中医院で研修
■報告者・・・さくら堂漢方薬局 毛塚重行
平成26年9月14日~19日の間、研修のため中国を訪れました。私にとっては3年ぶりの訪中でした。主たる目的地は江蘇省南通市です。
南通市は長江を挟んで上海の北西に位置します。あまり有名ではありませんが、結構大きな都市です。緑も豊かです。
南通市では良春中医薬研究所、良春中医医院、南通市中医院で研修を行いました。
また、国医大師(中国医学界の人間国宝)の朱良春先生にお会いする機会がありました。南通市には3泊し、17日午後に杭州へ移動しました。
杭州では胡慶餘堂を訪問
途中立ち寄った浙江省の西塘は、明清時代の建築物を残し、水墨画のような面影が漂う水郷古鎮です。
杭州では胡慶餘堂という薬局・診療所・博物館を兼ねた有名な場所があります。博物館は改修工事中で見学できませんでしたが、薬局を見学してきました。
18日夜に上海に入り、19日帰国いたしました。
以上が研修旅行の流れです。
病院内の煎じ薬を調合する薬局を訪問
とある病院内の煎じ薬を調合する薬局です。同じ中国医学の病院内薬局でも、いろいろなタイプがあります。とりあえず1件目です。
二面の壁が生薬を保管する百味箪笥でびっしりです。千と千尋の神隠しを思い出してください。引き出しは二重になっています。大きな皿の天秤を使っています。
直径20cmぐらいのビニル袋1つが1日分です。日本の一般的な処方と比べると何倍もの量です。
左にあるのは蝉の抜け殻です。蝉の抜け殻は日本でも使います。
処方箋です。大都市の病院では電子化されている所もありますが、この病院では手書きです。
右のお皿は、調剤内容の正否を確認するために1日分を余計に量りとった物です。
布袋の中には海金沙という砂様の生薬が入っています。元々はカニクサというシダ植物の胞子です。
粒子の細かい物はこのように袋に入れてから煎じます。
たまたまリヤカーを自転車で引っ張って生薬が搬入されている所を見かけました。
元来、煎じ薬は自宅に持って帰って毎日煎じる物でしたが、希望すれば病院でも煎じてくれます。その専用の部屋です。
煎じる専用の機械があります。日本でも時々見かけます。鍋でも煎じていました。
真空パックで日持ちがするようにしてくれますので、患者さんの手間がかなり省かれます。
服用する時は温め直して服用します。