さくら堂漢方薬局より「紫雲膏とムラサキ」の記事掲載のお知らせ
さくら堂漢方薬局にて執筆しました「紫雲膏とムラサキ」がASA栃木中央発行『らいとプラザ』2月号にNaturalLife No.122として掲載されました。
寒い季節に多い手足のひび、あかぎれ、しもやけなどに用いられる漢方の軟膏剤に紫雲膏(しうんこう)があります。漢方薬にも軟膏剤は少ないながらもいくつかあり、最も有名なものが紫雲膏です。紫雲膏を考案したのは江戸時代の外科医、華岡青洲です。華岡青洲は1804年に世界で初めて全身麻酔下での乳がん手術に成功した医師で、麻酔薬研究における様々な葛藤は、有吉佐和子さんの小説『華岡青洲の妻』に描かれています。
紫雲膏は名前の通り濃い紫色を呈し、胡麻油の香りが漂います。紫色のもとは生薬の紫根(しこん)です。紫根はその名も「ムラサキ」という植物の根で、古来染料として活用されてきました。
もともとは日本の広範囲に自生する植物ですが、数が少なく大変貴重な植物でもありました。そのため紫色は古来、高貴な色とされ、聖徳太子の冠位十二階の最上位の冠の色も紫色です。また、ムラサキは万葉集や古今和歌集などの歌にも詠まれ、日本人にとって大変大切な植物といえますが、現在絶滅危惧種となっています。そのため薬用には中国の近縁種が用いられています。
さらにムラサキや紫雲膏にまつわるお話、ご興味のある方は、さくら堂漢方薬局ホームページ中の記事をご覧いただけましたら幸いです。
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