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No.119 病気を防ぐため体の休養を助ける漢方

入間の日常生活は,活動と休養の交互の繰り返しで構成されます.仕事・勉強・運動などの活動の合い間に,休憩・食事・睡眠などの休養の時間を取って,心身の疲労を回復します.漢方では,休養の態勢を支える仕組みや物質的蓄えを「陰」と表し,これが不十分な「陰虚」の状態になると,活動に抑制が掛からず,オーバーヒートして体を消耗させます.

「心」と「肺」の機きを休養させる「陰」の不足を表す「心肺陰虚」は,口の乾き・のどの乾き・ほてり・声のかすれ・空咳・動捧・寝汗などの症状から,活動の後に十分な休養ができない状態が続き,心臓や呼吸器を中心に組織に負担を掛けて弱めてしまい,様々な心身の病気に陥りやすく癒されにくい背景になります.潤して癒す生薬「麦門冬」などを主要な成分とする「生脈散」などの長期服用で「心肺陰虚」が背景の病気を防ぎやすく治しやすくします.

「肝」と「腎」の働きを休養させる「陰」の不足を表す「肝腎陰虚」は,口の乾き・ほてり・目が疲れる・めまい・耳鳴り・こむらがえり・足腰が弱る・夜間頻尿などの症状から,活動態勢に偏った自律神経・ホルモン分泌を介する命令で,全身組織の異化が進み,栄養素の血中動員が過剰になり,老化に直結する病気を起こします.休養を助ける生薬「地黄」を主とする「六味地黄丸」などの長期服用で「肝腎陰虚」が背景の病気の基礎改善になります.