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大熊先生「漢方はこうして副作用を防いできた」両毛新聞
胃腸を中心とする消化器系は,漢方においては「脾」と表されます.現代医学的な脾臓とは意味が違い,飲食物から栄養素と水分を消化吸収し組織再生の材料やエネルギー源として供給するシステム全体を象徴する名称です.
自律神経系の役割は,心身の活動/休養,覚醒/睡眠,興奮/安静,高揚/平安,緊張/弛緩など,人体の態勢・状態の転換に合わせて内臓・器官の機能を調節することです.脳内で湧き起こる感情・欲求や日内リズムに適合した身体の態勢を […]
”血液をサラサラにする”という表現で,近年,血液の性状と循環を改善する生薬や食物の作用が紹介され,脳梗塞や心筋梗塞の予防に役立つと話題になっています.このような天然物の多くは,漢方では一般に「活 […]
現代社会では,栄養過多による肥満・糖尿病・高血圧などが問題なので,単純に体脂肪・血糖・血中コレステロールなど過剰な栄養素を減らす薬や食物成分の作用ばかり注目されますが,一方で組織の栄養不足をともなう代謝失調が基礎になる […]
漢方において「腎」は生命力を生み出す臓器です.現代医学的な意味での腎臓だけでなく,体液のバランスを保つ泌尿器系,遺伝子を子孫へ伝える生殖器系,自己の組織を守る免疫系まで包括し,活気あふれる生命の営みを絶やさず維持する器 […]
心身のいかなる活動のためにも,生命の維持のためにも,人体の器官や組織を機能させるエネルギーは,飲食物から吸収され蓄えられた栄養素を分解することで産生されます.このエネルギー代謝が弱ると,内臓の働きや体力の減退・冷え症・ […]
漢方には,生薬の薬性の尺度の一種として,「補」と「瀉」の尺度があります.栄養素などの物質面の不足あるいは機能面の弱まり(「虚」と総称される状態)の回復に役立つのが「補」の薬性です.老廃物や病理産物を含めた物質面の過剰・ […]
「滑性」とは文字どおり,滑(すべ)らせる・滑(なめ)らかにする薬性です.つまり,体内に滞ったものを,あたかも滑らせるかのように容易に外に出す,具体的には,主に尿や便の排出を滑らかにする薬効のもとになる薬性です.
「沈降性」とは文字どおり,沈める・降ろす薬性,つまり,上から下へ,または,表面から内部への方向性をもった薬効のもとになる薬性です.沈降性の生薬を服用すると,のぼせ・上気・逆上のような神経系の症状から,上げる・もどす・も […]
「昇浮性」とは文字どおり,昇らせる・浮かす薬性です.つまり,下から上へ(昇らせる)と,内部から表面へ(浮かす)という方向性をもった薬効のもとになります.昇浮性の生薬を服用すると,垂れ下がったものを引き上げ,沈み込んだも […]
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