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No.69 植物の旺盛な繁茂力が肢体の痛みを解消

 関節痛・筋肉痛・神経痛・腰痛などの肢体の痛み・痺れを解消するため役立つ生薬には様々な種類があり,処方配合にも様々な歴史的展開がありました.現代の「風湿豨桐丸(ふうしつきとうがん)」という中成薬(本場中国の漢方製剤)の配 […]

No.68 「湿熱」を解消する薬性を完備した生薬

 漢方では,感染症や皮膚病で発疹を起こすのは,多くの場合,体内に「熱」が生じるためだと考えます.また,発疹の内部に滲出液がたまって水疱や膿疱になるか,ただれて表面が滲出液で湿潤(ジュクジュク)する場合には,「湿」という要 […]

No.67 「血熱」を解消するための広範な生薬活用

 漢方では,全身的な発熱のほか,局所的な熱性または熱感の症状や,皮膚・粘膜に発赤・発斑・発疹が現れたら,体内に「熱」が生じたと考えます.特に,斑・疹部の赤みが強く,出血しやすい性質が見られるときには,「熱」が「血」の中に […]

No.66 「熱毒」の解消に役立つ身近な草花の薬性

 清代の漢方薬に「五味消毒飲」という処方があります.この処方を構成する5生薬は全て野山に咲く草花や小低木です.タンポポ・スミレ・スイカズラ・イヌホオズキ・シマカンギクという,日本でも四季を彩る野草として古代から親しまれて […]

No.65 呼吸器への沈降の薬性に寄与する辛温薬

 「蘇子降気湯」という,宋代の公定書を原典とする漢方処方があります.咳・痰・喘鳴・呼吸困難・胸苦しいなど,いわゆる喘息などの症状に適応されます.穂先ごと食用にも使われる,シソ科のシソ(紫蘇)の果実(または種子)「蘇子」と […]

No.64 抑制的な薬性で自律機能の連携を回復

 「川楝子」という生薬は,日本でも温暖地に自生する,センダン科のセンダン(栴檀)として広く知られる落葉高木の近縁種の成熟果実です. 別名として,外見にちなんで「金鈴子」,味覚から「苦楝子」とも称され,漢方で活用されてきま […]

No.63 危機を乗り越え進歩した「陰」を補う用薬

 人体の「陰」の不足とは,組織に蓄えられている栄養素や水分の不足と,心身の休養態勢の弱まりを,表裏一体の状態として表した言葉です.「陰」を補う考え方は,紀元前(戦国時代) の医学書『黄帝内経』に,冷めない熱症状の治療原理 […]

No.62 血流の回復に抑制的な薬性の主薬を抜擢

 体内に十分な量の血液が存在しても,末梢の一部の流れが停滞していれば,そこでは血液が機能を果たせません.漢方では,血行を改善する生薬を「活血薬」と呼びます.流れの停滞を解消することによって,血液の本来の機能を果たせるよう […]

No.61 「血」を補うための生薬の役割づけの進歩

 現代医学的な意味での血液とは少し異なり,漢方における「血」の作用は,全身組織へ栄養素などの必要物を供給するだけでなく,組織の再生・回復過程を支えるため,無用な活動を抑制し,安らかな休養態勢を維持する働きも含みます.そこ […]

No.60 歴史の主流からは独立した「補腎薬」構成

 生命の基礎を支える「腎」の機能系を助ける漢方処方の歴史は,「地黄」を主薬として漢代に考案された「八味地黄丸」から始まります.その中の6生薬は,宋代から「六味地黄丸」として,明確に「腎」の「陰」の要素(栄養状態と休養態勢 […] « Older Entries Newer Entries »