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No.59 「陽」か「陰」に偏らず「精」をつける「補腎薬」

 漢方では,「腎」は生命維持のエネルギー源である「精」を蓄えていると考えます.女性は35歳,男性は40歳以上になると,誰でも消耗に補充が追いつかず,「精」の蓄えは減少に転じ,「腎」の泌尿・生殖・免疫機能の衰えや,全身組織 […]

No.58 究極の「補腎薬」への薬性理論の集大成

 漢代の「八味地黄丸」を原点とする「補腎薬」の処方構成は,無理なく巧みに薬効を最大化させ,バランスよく細心に副作用を最小化させる努力の結果,時代とともに生薬配合数が多くなりました.「至宝三鞭丸」は南宋宮廷の御用処方として […]

No.57 「気」と「血」から生命力を養う「補腎薬」

 「補腎薬」の処方構成は,漢代に考案された「八味地黄丸」を原点として,その後の理論的な認識の進展を反映し,現代の「中成薬」の改良処方に見られるような,主に以下の3種の生薬が配合された構成へと変化してきました.

No.56 「人参」と「蛤蚧」が配合された「補腎薬」

 漢方の本場である中国では,数多くの漢方処方が,服用に便利な様々な剤型の「中成薬」として広く愛用されています.「中成薬」を構成する処方には,漢方の歴史の中の,主に漢代から清代までの著名な書物を原典とする基本処方と,その後 […]

No.55 生命力を回復する公式になった加味方式

 「八味地黄丸」は漢代に考案され,後に様々な加減方を派生させた「補腎薬」の原点と呼ぶべき処方です.漢方における「腎」の働きには,成人に至るまでの身体の発育と成熟,生殖器系能力の発達,老年期にまでわたる基礎代謝・身体骨格・ […]

No.54 体液の恒常性維持を助ける漢方処方

 漢方における「腎」は生命を維持するための基礎的な機能を果たす器官系を象徴し,体液の恒常性維持という現代医学的な腎臓の機能も一要素として含みます.日本で比較的よく活用されている「牛車腎気丸」は,宋代の医学書『済生方』から […]

No.53 生命維持の原動力を鼓舞する処方

 日本で現在も剤型を様々に変えながら汎用されている「八味地黄丸」は,漢代(3世紀)の張仲景という医師が考案した処方で,元来の名称は「腎気丸」です.「腎」は,現代医学的な腎臓だけでなく,泌尿・生殖・内分泌・基礎代謝・免疫の […]

No.52 痛みを起こしにくい身体を回復する処方

 漢方では,関節痛・腰痛・神経痛・筋肉痛 など,上下肢・体幹・頭頸のどこかに痛みをともなう症候・疾患は「痺証」と総称されます.「痺証」に適応する処方には,唐代(7世紀)の医学書『千金方』を原典とする「独活寄生湯」がありま […]

No.51 消化器系内の連携を正常にもどす処方

 夏の感冒などにともなう嘔吐や下痢(霍乱)に用いられる漢方薬に,宋代の「藿香正気散」があります.消化器系を構成する機能の正常化のための配慮が行き届いた処方です.漢方における広義の消化器系の区分と名称は現代医学の定義とは少 […]

No.50 消化器系の組織を養い機能を高める処方

 胃腸を中心とした消化器系(「脾」)の回復に役立つ漢方薬に,宋代の公定書『和剤局方』に収載された「参苓白朮散」があります.同書が原典の「四君子湯」を基本骨格とする加味処方の一つです.機能の弱まり(「気」の不足)を回復する […] « Older Entries Newer Entries »