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No.39 皮膚・粘膜に活力を与える薬性

 人体の表面をおおう皮膚・粘膜は,単なる均一な細胞層ではなく,分泌腺などの付属器や免疫系の自由細胞を内包し,血管と神経を内に張りめぐらし,人体の保護・免疫・適応の機能を担っている器官です.元代(14世紀)の書物に記載され […]

No.38 湧き上がる活力を全身に送り届ける薬性

 胃腸の機能を高めて体力を回復する漢方処方として「補中益気湯」があります。これは、金代(13世紀)の李東垣によって考案された処方で、現在も、最も有力な「益気剤」として広範に活用されています。成分生薬として、特色の違う2種 […]

No.37 過熱や脱水を防ぎつつ活力を高める薬性

 心身のあらゆる活動にエネルギーは必要です.エネルギーの産生には熱の産生が伴い,体温の維持に役立っているのですが,エネルギー産生が亢進し過ぎると,過剰な熱を発汗により体外に放散し続けなければならず,脱水や熱中症などに陥る […]

No.36 神経を休養させて心臓をいたわる薬性

 「天王補心丹」という漢方薬は,元代の文献に原型処方の記述がありますが,現在一般に応用されるのは,明代の書物に記載された改良処方です.多様な薬性を内包させた複雑な生薬構成を存続しつつ,主要な薬性の生薬ほど相対的に量を多く […]

No.35 ぐっすり眠って活力を養うための薬性

 「帰脾湯」という漢方処方は,宋代の文献に最初の記載があり,その後の元・明・清代に適応症と構成生薬が追加・補完され,広範に活用できる「気血双補」の代表処方のひとつとして確立された漢方薬です.2つの薬効を連携させるため,2 […]

No.34 喘息に適用される2系統の薬性

 呼吸困難・呼吸促迫・喘鳴など,広い意味での喘息の症状をともなう疾患・病態の治療や改善に役立つ生薬を,漢方では「平喘薬」と呼び,薬性の異なる2系統に分類しています.

No.33 咳を止める3系統の薬性

 漢方では,多種多様な生薬の中に,咳止めの薬効につながる3系統の薬性を見出しています.これらを使い分けたり,組み合わせることで,咳の症状を伴う病態・体質を,巧みに無理なく治療・改善し,細心にバランスをとって副作用を予防し […]

No.32 感染症に適用される2系統の薬性

 ウイルス・細菌などによる感冒やその他の感染症において,人体はそれらの病原体を攻撃・排除する目的で,発熱と炎症を起こします.しかし,その過程で起こる反応がすべて,人体に有利で,病原体に不利な条件を与えるとは限りません.発 […]

No.31 蓄積された不要産物を除去する薬性

 現代医学的な意味での痰は,気道に紛れ込んだ病原体や異物を破壊・処理する仕組みが働く結果生じる病理産物です.漢方における「痰」は,気道だけでなく,いかなる流通経路にも発生する,より広範な組織活動の結果として体液中に蓄積さ […]

No.30 冷えきった人体機能を復活させる薬性

 漢方では,寒冷が手足・体幹・頭頸・関節・内臓など,各部に悪影響を及ぼしている状態を「寒証」と表します.体外から寒冷をもたらす気候・環境・飲食物が「寒証」の原因ですが,体内のエネルギー代謝の減退(「陽虚」)があると,「寒 […] « Older Entries Newer Entries »