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中医学とは「中国医学」の略!

中医学とは?

中医学とは「中国医学」の略で、中国では数千年の歴史があり、現代においても国が推し進める漢方医学です。中医学では人間の体を次のように考えています。人間の体は五臓六腑を中心に生命を維持する基本物質である気(エネルギー)・血(血液)・水(体液)が十分に生産され、この気・血・水が経絡という通路を正常に流れて初めて人間の健康が維持できるという考え方にあります。

五臓六腑の内 どの臓腑が問題なのか? 診断する。

中医学による病気の治療とは、生命活動を維持する気・血・水のどこに問題があり、それが不足(虚)か有余(実)を判断します。そして五臓六腑の内のどの臓腑が、この気・血・水の問題を作り出したかを診断をします。例えば疲労倦怠があり、息切れ、話すのがおっくう等の症状は、気(エネルギー)の不足(虚)、特に肺に問題があるとして「肺の気虚」と診断します。また、下痢しやすく、手足がだるく、やせている等の症状は脾胃(消化器)の機能に問題があると判断して、脾胃に気虚がある「脾胃の気虚」と診断します。

治療方法は、「扶正」、「去邪」、「扶正」と「去邪」の3つ。

中医学における治療方法には、正気(抵抗力)を助ける「扶正」、体にとって不都合な邪気を取り除く「去邪」、そして「扶正」と「去邪」の3つの方法があります。これらの方法によって低下した抵抗力を増強(扶正)したり、体にとって不都合な邪(ウイルス・癌・アトピーでの炎症など)を取り去り(去邪)、体の陰陽バランス(平衡)を回復させることを介して疾病を治癒に導くことに重点をおきます。

体にとって不足なものは補い、余計なものは取り除く。

「正気学説」から言えば、中医学治療は体にとって不足したものは補い、体にとって余計なものは取り除き体を健康状態に戻すことにあります。その意味合いから治療の「治」を健康状態に治(おさ)めると考えています。当然、熱があるのに温めたり、冷えているのに冷やすなど「扶正」と「去邪」を間違えると、体は健康状態から更に離れ病気を悪化させてしまうことにもなりかねません。

「中西医結合治療」により、よい治療が求められている時代。

中医学でいう「去邪」とは、例えば癌治療において、西洋医学が行う外科的摘出術や抗がん剤、感染症に対する抗生物質、自己免疫疾患・膠原病などに対するステロイド剤が相当するものであろうし、中医学でいう「扶正」とは、内分泌疾患に対するホルモン補助療法、輸液などが相当すると考えています。当然「去邪」の部分でも中医学で治療することは可能であると思いますし、逆に西洋医学での「扶正」部分ではかなり劣っているのも事実であろうと思いますが、「扶正」に対して十分に力を発揮できるのが、これもまた中医学の特徴であります。西洋医学の長所と中医学の長所を結合する「中西医結合治療」により更によりよい治療が求められている時代であり必要であると考えています。